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「分煙・禁煙」エトセトラ


 2020年の東京五輪開催に向けて、色んなことが協議されていますね。飲食店での禁煙を検討しているのもその一つ。

 健康増進法(平成15年5月1日施行)が成立するのとほぼ同時に、横浜市では全国に先駆け、条例で「分煙」をスタートしました。導入時には随分揉めたとか?店内を分煙にするためには、お金をかけてお店を改装しなければならないですし、タバコを吸えなくしたら、お客さんが減って売り上げが下がってしまうかもしれない。小さな飲食店の多くは、個人事業主が運営しているので「資金に余裕がありません」でしたし。結局、快適に思うお客様が多かったのでしょう。定着して現在に至っています。

 法律が施行されはしましたが、自治体の足並みはそろいませんでした。私の職場は東京都内であったため分煙が徹底されず、お昼の時には閉口しました。一応、場所は分けてあっても、仕切りがないとか、隣の席から喫煙席だとか。タバコを吸っている人には分からないと思うのですが、髪の毛や洋服に「ヤニ臭い」臭いが染みつきます。自分についた臭いで気持ち悪くなることもありました。

タバコを吸う人がもっと多かった頃には、タバコの臭いはそれほど気にならなかったのです。「嗅覚」はいつも嗅ぐ臭いに慣れてしまうのです。不思議なことですね。

ですから、吸う側の人には、吸わない人の気持ちが解りにくい。逆も言えることですが。

 接客業は、喫煙率が高いことをご存知でしょうか?ストレスの掛かる仕事が多いこともあるのでしょう。タバコを吸うことで、ある程度ストレスを発散できるのだと思います。

女性の社会進出とともに、女性の喫煙率が上がりました。男性は減少しているようなのに。

私見ですが、百貨店の従業員や化粧品販売に携わる方々の喫煙率は、結構高いと思います。

百貨店担当のセールスだった頃、私の所属した会社の直営店スタッフとお昼を食べた社員食堂は、タバコの煙で霞んでいました。直営店スタッフの彼女も喫煙者でした。

喫煙席が「満席」で、禁煙席が空いていたのでそちらに行こうとすると、彼女が動かない。「ご飯先に食べてから、タバコ吸ったらいいんじゃない?」と言ったのですが、「まずは一服したい」と譲りません。席が空くのを待っていたら、短い休憩時間が減ってしまうのに、それでもまずは一服したいのです。気分転換やリフレッシュに、それほど必要だったということです。ですから、そんなお客様が「一服できない」店舗になるのは、勇気が入りますよね。

特に多くの喫煙者が利用しているお店は、売り上げを直撃する問題です。

随分前のことですが、サロンに来店されたお客様がいきなりタバコを吸い出して、「灰皿もないの?気が利かないわね!」とジロリとスタッフを睨んで言い放った現場に遭遇したことがあります。タバコの灰が、下に落ちたら大変なので、スタッフが急いで灰皿を出しました。

そのまま喫煙を許す結果になってしまったのです。私自身も経験値がまだ低く、適当な対応ができませんでした。

お客様との一対一のやりとりだと考えると、一瞬、どうってことがなさそうですが・・・。

「申し訳ありません。全てのお客様に対して快適な空間を提供するために、店内は禁煙とさせていただいております。ご協力をお願いいたします。(タバコの臭いが残るので)」と、ご案内できたら良かったと思います。言いにくいなら「サロン内は禁煙です」と掲示しておく。

喫煙者ご本人は感じにくいのですが、他のお客様はタバコの臭いがする空間ではトリートメントを楽しめません。

さらに私の個人的なお話をすると、ある有名メーカーの化粧品カウンターで美容部員さんの指からタバコの匂いがして、気分が良くなかったことがあります。メイクアップをローションで軽く落として商品を試してみている時でした。彼女は夕方の休憩から戻って交代したばかり。

休憩時間なのですからどう過ごすかは自由ですし、タバコを吸うのは全く問題ありません。

良い仕事をするためには、リフレッシュやリラックスする時間が必要です。

サロン内を禁煙にするというのとは、次元の違う話なのですが、お客様の立場としてはやっぱり「良い香りのする化粧品を購入する場面で、遭遇したくない状況」なのでした。

商品やサービスを提供する側は、かなり気を遣わないといけないなぁと、その時に改めて思いました。

ペットが店舗内にいるサロンもあります。お客様全員が、ペットが苦手な方でなければ問題にはなりません。ペットを目当てにお客様が訪れているならば、むしろ魅力的です。

ですが、そのような特徴をアピールしているサロンではない場合もありますよね?

犬や猫に恐怖を感じる人や、アレルギーがある人もいる。介助犬などは別として、衛生面などを考えても、ペットが店内を自由にうろついている状態は好ましくありません。動物の匂いに敏感な方もいらっしゃいます。

サロン経営者の「自分の店なんだから、自由にして構わないでしょう?!」という考え方や、お客様の「お金払ってる側が気を遣わなくちゃいけないって変でしょう?!」という考え方もあります。

法令は守らなければならないものですが、それについても「ただ守れと言われても納得ができない。守らなかったら必ず罰せられるのか?」「なんとかくぐり抜けるやり方はないのか?あるだろう?」「スピード違反は悪いよ?悪いけど、全員が捕まるのか?って話だよ。」といった声もあります。

う〜ん・・・。「見つからなけりゃいい」っていう話ではないのですよね。

例えば、運転免許は「道路交通法を遵守する」っていう約束の元に発行されています。

最初から、交通法規を守らないという人には、発行されないんです。

そして、ただ「守っておけばいいんでしょ?」って話でもない。

交通法規が何のためにあるかといえば、事故発生のリスクを少しでも軽減するためです。

加害者にも被害者にもならないためのセーフティガードなんです。どちらになっても、嫌な思いや辛い思いをするでしょう?どちらの立場にもなりたくありませんよね?

「罰金を取られたり、逮捕されないためにどうするか?」って話じゃないんですよね。

どうして、そのような法令が作られたのかといえば、被害を被った人たちがそれだけ多かったからなのです。そこに思いを馳せることが出来るでしょうか?

お互いが気分良く過ごすために、双方が少しずつ譲り合う。そう言う考え方が根底にある。

それは、単純に個人を対象にしたものではなく、その場限りの対応でもないのですが、結果的に「個人」にとって気分良く過ごせる環境を作り出します。

お客様に快適な環境とサービスを提供するためには、お客様にもご協力をいただく。

法律で決まっている部分だけ守ればいいとか、そういう線引き的なものではなくて。

 皆様のサロンは、自分がお客様の立場に立った時に、嫌な思いをするサロンになっていませんか?自分がお客様だったら??という視点を忘れないこと。これが、サロン運営の大事な要素であることは間違いありません。

販売者側として「こちらの都合」を優先しやすいのですが、毎日の生活の中で、自分が「消費者の立場」になることは多いでしょう?

立ち止まって、自分がお客様だったらどう感じるか?と言う感性を持ち続けていただきたいなと思います。現場はそんな風でいられる「余裕」があるでしょうか?

そうあって欲しいと思います。

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