先日、化粧品開発を担っていらっしゃる三人の科学者のお話を、オンラインでお聞きする機会がありました。
誠実で真摯な方々で、尊敬しています。
初心者を含む、化粧品愛溢れる皆さんが受講者です。
講義では、美白関連の化粧品について、トレンドや戦略、成分について語ってくださいました。
大変、貴重なお時間でした。
トレンドとして今 話題の、美容外科で販売されている化粧品についてコメントがありました。
その化粧品は成分についても表現についても・・・かなり攻めている。
三人の科学者の皆さんの見解は、「かなり危険だと思う」でした。
(※※カネボウの白斑事件などを例に挙げられてもいました)
パッケージやパンフレットに記載されている使用方法にも疑問がありました。
丁寧に注意事項を守って使用しないと。
購入者全員がそんなきちんとした性格の皆さんだなんて、あり得ないのですし。
流通経路が、美容整形外科の患者さんにほぼ限られている。
お医者様から使用について充分なアドバイスがされるという前提なのですが・・・。
取り扱っているお医者様のコメントも・・・攻めている。
「効く!」と、ほぼほぼ仰っている。
驚いたのは、オンラインの講義が終了した直後のチャットです。
「自分の肌で試してみたくなりました!」という方が数人いらっしゃったのです。
え?え?・・・あんなに危険だと専門家が発しておられたのに?
ドクターズ・コスメに弱い消費者は俄然多いのですから、仕方ないとは言え・・・。
人は自分が聞きたいことを聞きたいように聞く。
警告も、受けとられなかったのだなぁ・・・。
「医者が勧める(注意事項はあるけれど)すごく効果のある化粧品を紹介された。トレンドになっている。是非、使ってみたい!」と、聞き取った・・・ということでしょう。
その人がどこを優先しているのかで、全く逆の受け取り方になってしまう。
・・・そんな経験はありましたが、久々にびっくり!!でした。
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そもそもクローズド・マーケットで販売される化粧品は、薬事チェックが緩い傾向にあります。
それでも、かなりアウトでは無いか?という表現が満載でした。
美容外科の看護師さんにも知り合いがいるので、似たような化粧品の試供品やパンフレットを頂きます。
やっぱり大丈夫?・・・な表現が踊っています。
美白商品の医薬部外品は、安心安全を考えながらも効果を探る設計をしていく訳ですが・・・。
化粧品も医薬部外品も、効果がある!と言える範囲は角質細胞までが基本です。
とはいえ、その先に少しでも進めないと効果が望めない。
強固な表皮細胞の結びつきを揺らがせて、隙間をくぐり抜けてなんとか成分を届けるようにトライする。
ただし、安全を脅かさない・・・というギリギリラインで。
このさじ加減がすごく大変なのだと、三者三様に語られていました。
科学者の奮闘は続きます・・・・。
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写真は夏椿。または姫沙羅(ヒメシャラ)という、綺麗な名前を持っています。
沙羅双樹と日本では混同されていますが、別種だそうです。
沙羅双樹(フタバガキ科のShorea robusta)は、お釈迦様が入滅された場所に生えていた木だそうで、日本では育たないので、夏椿を代わりにしたらしい・・・とか。
涼しげで美しい花です。