方向を見失いそうになる時
- reethihandhuvaru
- 2017年5月31日
- 読了時間: 4分

会社員でいた頃のお取引先で、今は友人としてお付き合いのある会社の社長さんから、
こんなお話を聞きました。
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ウチは小さな会社じゃない?
でも、お店の一店あたりの売り上げが全国でトップクラスなんだって。
それで今、すごく持ち上げられているんだよね。
当たり前のことをやってきただけ。
担当だったあなたと「一般の人が理解できるやり方で行こう!」って決めてからずっと。
お店の経営者もスタッフも、お客様も一般の人だから。
「自分がお客様だったら、どう思うか?」を忘れないようにしようって。
お客様を大切にして、満足感が高ければ、売り上げが結果としてついてくる訳だから。
「大切」は、過剰な持ち上げ方をしたりすることじゃなくて、気持ちの良い時間を過ごしてもらうための心遣いを忘れないってことじゃない?
スタッフがお客様を大切にできるかどうかは、経営者がスタッフを大事にできなければ無理。余裕がないと「人」を大切にすることは難しいから、そのために店の売上を、ある程度は
確保しなければならない。鶏が先か卵が先か?な話でもあるけれど。
見本である経営者がスタッフを大切にしていかないと、スタッフはお客様を大切にしない。
「商売の基本」をやろうって決めたんだものね。
基本を徹底するには、時間がかかる。焦れてしまう会社は多いと思う。大きい会社は特にね。
苦労して一緒に考えて作ったツールも、コピーされて広がってる。
外側だけ真似しても、お客様への「気持ち」がなければ、ただのツールになっちゃうんだけどなあ。
ウチの扱いがどんどん良くなって、持ちあげられれば、やっぱり気分が良いよね。
でも、今は会社としては小さいから、褒めてもらっても、こそばゆいっていうかね。
・・・もっと売上UPして「大きい会社」にならないと、居心地悪いと思ってしまう。
早々に大きい会社になるために、安易な方向に舵を切ってしまいそうになるよ。本当に。
勘違いして、方向を見失いそうになって・・・怖いよね。
「量より質」を選んだのに「質より量」に転換しそうになるんだもん。
気をつけないと、飲み込まれそうになる。おだてに乗らないようにしないとね。
何より大事なのは、一緒に働いている人たちが「幸せ」でいられるかどうかだから。
そういう風に考えていられるうちは、安易に道を住み外さないと思ってる。
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私は社長を尊敬してやみません。
(本当はとても丁寧な方なのです。話し方はかなりカジュアルに変えています。)
こんな風に考えられる経営者が、どれほどいるでしょう?
好事魔多し・・・と言いますね。
絶好調!から転げ落ち、絶不調へとなることもよくある話。
「全能感」漂うこんな時に、間違った方向に舵を切ってしまうものかもしれません。
それと・・・接客のある販売業やサービス業は、とても地道な仕事です。
そして、その「接客」に付加価値がある。
「人を幸せにすることができる仕事」をされているのです。
サービス業や販売業の心がこもった「現場のスキル」が、売り上げを支えています。
世間は接客業を軽視していると思うのですよね。
サービス業と接客がある販売業への、社会的地位がもっと上がるべきだと思っています。
世の中には、接客販売は「テクニック」だと言い切る、ビジネス本が沢山出ています。
お客様全てに、その「テクニック」が有効だとは限りません。
販売側の「都合」は、お客様に悟られてしまう。
営業成績のTOPを競うことは、年収を上げる手立てでもありますし、自己肯定したい人の支えや励みになります。自信を持つためには必要かもしれません。
営業成績TOPが、丁寧な接客の積み重ねの結果ついてきたものならいいのですが、一番になってスポットライトを浴びたい人の「自己満足」に過ぎないこともある。
このような競争心を煽る考え方や施策は、活性化させるためのカンフルとしては優秀ですが、一過性のものだと思います。
テクニックだけで売上をキープして、お店を存続させることはできないのです。
接客には、その人自身の「考え方」や「人生」も透けて見える。
「心」を忘れずに仕事に励みたいと思います。
※※写真は、実家の裏庭の山椒。ちょうどお花が咲いていました。※※
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