品揃えはオーナー次第。
- reethihandhuvaru
- 2017年7月23日
- 読了時間: 4分

同じメーカーの化粧品を取り扱っている、同じグループの販売店の売れ筋が、個々で全く異なっていることがあります。
客層が違うから?その地域の特性があるから?
実際には A店とB店が5㎞も離れていないのに、商品の売上構成が真逆だということが、よくあります。
客層が違うという理由は、ある程度は当てはまるでしょう。
ですが、化粧品の価格ラインや販促方法は全く同じです。
そのお店に、乾燥肌のお客様ばかりが集中するとは思えません。
実際に訪店した際に、お客様とお話しする機会をいただくと、お客様の肌質に合わせたというよりも、経営者の好みによる提案で、商品をお勧めしているなと感じることがあります。
商品を販売した金額に対して、手数料を貰う契約の化粧品販売店の多くは、お店の在庫そのものを、メーカーもしくは代理店(と呼ばれる卸売業)から委託(つまり貸してもらっているので)されて負担がないことが多いのですが、お店によって品揃えが全く異なります。
あるお店では、クリームファンデーションを全く取り扱っていませんでした。
経営者が、パウダーファンデーションが好きだったからです。売りやすい商品だったから。
テクニックがそれほどいらず、お出かけ先にも持ち歩きやすく、化粧直しの機会も多い商品です。当然、リフィルのリピート率も高い。クリームファンデーションを売るのは、非効率的だと思ったようなのです。
経営者の性格は、結構大雑把。押しが少し強い感じでしたでしょうか?
にぎやかなお店でした。
また、ある店では、お客様のスキンケアラインがほぼ全て、高級ラインの乾燥肌タイプでした。
経営者自体が、かなりの乾燥肌です。
自分で良いと感じたものをお客様にお勧めするという典型です。
シミやソバカスも気にされているので、ホワイトニング商品の関心も高い。
当然ですが、ホワイトニング関連商品の売り上げ貢献度も高いです。
こちらのお店は、乾燥肌にお勧めのクリームファンデーションを、お客様のほぼ100%に販売します。
以前、クリームファンデーション専用筆を使用する方法をお伝えしたところ、彼女のツボに
はまったようでした。
専用筆を商品として同時発売したこともあり、使用法を指導をしましたが、化粧品の基剤は、日々進歩しています。メーカーは消費者のニーズの変化も無視できません。
結果としてその後、「使用法が手軽で専用筆を必要としないクリームファンデーション」が、代替品として発売されました。
その際、「何故、今回の商品は、専用筆を使わないのか?」と抗議をされました。
聞くところによると、今もこだわりがあるようです。
月に1回は来店する、200人以上の固定客を持っているお店です。
その、お客様のほぼ全てが同じ肌質というのは、常識的にはあり得ない。
ですが、メーカーや代理店の立場ですと、売上を確保してもらえれば助かりますから、中々それを改めてくれとは言い難い。
取引先ですし、個人事業主ですから、経営方針に口を突っ込みにくいこともある。
長い目で見れば、結果的にお客様の事を思ってのお勧めではありませんし、化粧品のタイプが合わなくて実感ができなければ、お客様は去って行ってしまうのです。
積み重なれば、大きな痛手になります。
お店の運営上、リスクがあるのですから、メーカーや代理店としては、売上や取引先を失わないためにも、警鐘を鳴らすべきでしょう。
やんわりと、方向を修正するように提案しなくては。
このお店は、経営者のカリスマ性で、売上を維持しています。
スレンダーで、静かで繊細な雰囲気のある経営者です。
彼女に惹かれて来店するお客様が多いのは周知の事実。
接客は丁寧で、お客様に対して跪くような姿勢でお話を聞きます。
ちょっと神経質なくらい、スタッフ全員に、そうした接客をするように指導しています。
お客様は、優雅な気分になれるそうです。
ただ、カウンセリング内容が、経営者の考えや好みに偏っているのは間違いありません。
お客様一人ひとり、肌の悩みが違い、それぞれ提案内容が違うのだと、根本的に気づいてくれる日は来るのでしょうか?
以前は、それが解っていた人だったと思うのですが・・・。
2つの例を紹介しました。
簡単にまとめると、「お店は経営者が気に入っている売りたいものしか売らない」傾向があるということ。
セレクトショップはそのセレクトに合ったお客様を狙っていますし、そういったお客様が来店されます。「偏りが売り」です。
ですが、「お客様の肌質や悩み」に合った提案をする化粧品販売店では、偏った品揃えや思い込みがリスクになります。好きなものをお勧めするのは大切なことですが、バランスも大事。
皆様のお店は、お客様のニーズに寄り添っていますか?
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