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本当に「プロの技」?

  • 執筆者の写真: reethihandhuvaru
    reethihandhuvaru
  • 2017年8月29日
  • 読了時間: 6分

 サロンの広告のチェックを担当していた頃、薬機法(旧薬事法)的ではないところで、引っかかる表現がいくつかありました。

「プロの技」とか、「皆様に愛されて」「オールハンド」など様々です。

世の中で、沢山使われている表現です。

なのに、なぜ文句をつけるのか!?・・・。

「うるさ過ぎる」「何が問題なのか?意味がわからない」「一所懸命に作ったコピーにケチをつけられて、こちらのモチベーションが下がる」とも言われました。

広告は「お客様を引きつけるような魅力的な表現を使いたい」のですが、「お客様に嘘をついてはいけないし、過剰な期待を持たせ過ぎてもいけない」のです。

お客様が冷静に比較や判断ができる材料で、勝負しないといけないので。

何より、当時の私は「サロンが批判される材料を減らす」ことに注力していたのです。

・・・ということで、私がどこに引っかかったのか、お話をしてみたいと思います。

 「プロの技」

お金をお客様からいただいている以上、サロン側は「プロ」ですし、そういう心意気でお仕事をするのは大切なことです。

ただし、プロを語ることは、相手に高い技術を提供できると宣言しているのと同じこと。

提供する技術は、きちんとそこまでのレベルに到達しているのでしょうか?

下手をすれば、自分の首を絞めることにもなりかねない。

全てではありませんが、化粧品販売を目的としたサロンの経営者やスタッフは、化粧品会社が基準にしている技術を教えて貰って、お客様にトリートメントを提供しています。

数日、一日、または数時間の講習で習得する場合もあります。

サロンの経営者に教わって、推奨技術を習得した証明として試験を受けて、資格証もしくは修了証を取得する場合もあります。

サロンのスタッフとして一所懸命現場で技術を磨いて、その技術の高さから、「プロフェッショナル」と呼ばせていただきたい方々も沢山いらっしゃる。

それでも、言い方は悪いですが、サロンでアルバイトやパートをしながら覚えられる技術なのです。

国家資格の「あん摩マッサージ・鍼灸師(あはき)」や、民間資格のエステティックやアロマテラピーの学校に入って資格取得した人たちとは、意気込みも、かかったお金も、勉強した時間も違います。(資格があっても、上手い下手などのセンスの違いはありますが)

それに「プロ」とは、お客様が感じることではないでしょうか?

「さすが、プロは違うね!」というような。

自分で、プロだというのもちょっと恥ずかしいではないですか・・・。

「プロ」ではなくても、「経験豊富」とか「ベテラン」といった表現もあります。

あえてそんな言葉を使わなくても、「心を込めた丁寧なトリートメントを提供いたします。」とか「お客様のお肌を柔らかに包み込むようなトリートメントです。」などなど。

自分たちの首を絞めずに、お客様に信頼してもらえる表現は、まだまだあると思います。

勿論、それでも「プロ」を使いたいというのであればお止めしませんが・・・。

ただ、こういった念押しをせずにはいられなかったのです。

その技術を「プロの技」と言い切って、本当に大丈夫ですか?と。

 「皆様に愛されて◯年」・・・

サロンが◯年も継続できたのは、愛されているという証拠だと言いたいのは解ります。

でもそれは、継続できるだけの財力があっただけかもしれないし。

皆様に支えていただいて◯◯年!」なら引っかからなかったのですけれど。

自分の方で、皆さんに愛されているっていうのもおこがましい。

そう・・・なんだか、おこがましいって思ってしまって。

相手が思うことを自分の方が当て込んで言ってしまう、図々しさを感じるのでした。

それでも使いたければ止めはしませんが、「直した方がいいと思います。」と、理由をお伝えしていました。

「日頃のご愛顧に感謝を込めて」がありますが、こちらには違和感を感じないでしょう?

それは、「お越しいただいている全てのお客様に、感謝しています。」と聞こえるから。

 ちなみに「お客様満足度100%」

こう書くなら、「当店お客様アンケート◯年◯月度の結果」だというように、きちんと根拠を述べてください。(この場合は、95%だったのを100%だとサバを読むことはできません。)

映画の「全米が泣いた・・・」って表現に近いですが、数字を語る場合はダメなんだよ!と。

例えば、@コスメ◯月度◯◯◯ランキング第◯位!って、化粧品の宣伝に使っている会社がありますね?

保険会社や通販会社は、よく「お客様満足度◯◯%」を使っていますが、その数字の根拠も語っています。(決して100%は使っていない。)

・・・そういうことです。

みんなが「いいよ!」と保証していることが、そのサロンを選ぶきっかけや基準になる訳なので、沢山目にしているような言葉ですが、安易には使えないのです。

お客様をサロンに誘導したい気持ちは解るけれど、それにはエビデンス(証拠、根拠)が必要なんです。

 「オールハンド」

オールハンドといえば、とっても聞こえがいい気がします。

機械を使用する技術より、オールハンドの技術は教えるのも習得するのも難しいですし、お客様の期待も高い。

何より、ナチュラルで高級なトリートメントのイメージです。

エステティックというより、アロマやアーユルベーダやリゾート系ですよね。

高級ホテルにあるサロンの主流はこちらです。

会社が推奨している、サロンのエステティックは、機械を使った技術が含まれていました。

エステティック機器を使った「ブラシクレンジング」や「ガラス管による吸引」などを、

トリートメントに組み込んである。

アロマやリゾート系などと違って、エステティックは機器を使用することで、演出効果や美容効果(気持ちの面も)を高めます。

スタッフの技術力の差が、ハンドテクニックほど出にくいという利点もあります。

それに、機器を使われると、それだけで「なんか凄い!」って思っちゃいますから。

それなのに、何故か「オールハンドのフェイシャルエステティック」だと広告に載せようとするサロンが多かった。

機器を使用したトリートメントが組み込まれているのに、「オールハンド」とはこれ如何に?

「オールハンド」の認識が、違っていたんですよね。現場と。

「マッサージクリームを使用して提供するトリートメントの部分」だけを、「オールハンド」と言いたかったらしい。

リッチなイメージが欲しかったのでしょうね。

でも、そう表現したら「嘘」になっちゃう!

「嘘」は、ついてはいけないのです。

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 全くの余談ですが、脳科学者の池谷裕二氏の著書「できない脳ほど自信過剰」に、「できない人ほど自分はできると勘違いしている傾向がある」「能力の低い人ほど、自分を過大評価する傾向がある」という記載があります。(とても面白い本です。オススメです!!)

・・・そんなことも合わせて考えると、「手前味噌な表現の多いサロンは、期待できない」とも言えそうですね。

「能ある鷹は爪を隠す」ともいいますし、信頼できるお店や商品、サービスを探すなら、奥ゆかしくて、素敵なコピーを選んでいるところを見つけると、失敗しないかも知れません。

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