「立場」と「都合」。
- reethihandhuvaru
- 2018年3月6日
- 読了時間: 4分

立場が違えば、それぞれの都合があって当たり前なのですが、「ええっ!?」って思うこと、ありませんか?
「業界の常識」「国の常識」・・・などなど、所属するグループごとに常識が異なっていて、大きなズレに驚くことが多々あります。
ビックリしたり気付いたりできるのは、それはその時、そちらの側に自分が居ないから・・・ということでもありますよね。
私の仕事周りでの例を挙げてみますと・・・。
新人時代(随分、昔です)に、取引先の新規サロンのオープンに応援に行った時のこと。
手伝った営業時間前の作業の一つに、拭き取りに使うコットンを薄く裂く・・・というのがありました。
こんもりと盛り上げられていくウエットコットンの山。
トリートメントを指導する際に、そのような指示をしたことはありませんでした。
『??』と私は感じましたが、先輩は何も言いません。
先輩は、そういったサロンと接することが珍しくなかったからですし、あくまで取引先として距離をおいてもいたからです。
コットンを裂くことがルーチンのサロンで育てば、スタッフが違和感を持つことは、ほぼありません。
最初からそのように教えられれば、スタッフはそういうものだと思ってしまうからです。
どんな目的でそうするかを説明される訳でもないし、それを使って仕事をするだけなので。
何故、コットンを裂くかと言えば、消耗品でもあるコットンの枚数を少しでも減らしたいから。利益を少しでも増やすためには、トリートメントの原価の一部となる消耗品費を、少しでも節約したいからですね。
どんなに意識したところで、コットンを均等な厚みに裂くことはできません。
そして厚みが減った分、水分を含む量も減りますし、クッション性も落ちます。
トリートメントする側も非常に使いにくいし、左右で厚みが違うコットンの拭き取りを顔で受ける「お客様の満足度」は、どうでしょう?・・期待できないなぁ・・・。
トリートメントが目的のお客様を獲得して化粧品を販売するサロンの場合、お客様の満足度が低ければ、顧客来店数減に直結し、化粧品の販売機会を失ってしまいます。
つまり、売上確保が難しくなるということです。
やはり、コットンの節約アレンジをせずに、使用することをオススメしたい!
きちんとコットンを使用するということは、綺麗になりたい人に押さえていただきたい基本情報ですし、販売側も化粧水のリピートのタイミングを掴みやすい訳ですから。
「双方の利益」を「小さな節約」で失うなんて、勿体無いことです。
※※最近は、二枚に開いて使えるコットンも製品として販売されていますが、それは使用に適した厚みが確保されていますから、「節約」と考え方が同じではありません。
「??』という違和感は、アロマ関係の授業をスクールで受けていた時にもありました。
エッセンシャルオイルを使ったフェイシャルトリートメント終了後、ウエットコットンに化粧水を染み込ませてお肌を整えると教わり、「??」。
アロマテラピーの教本には、個人の楽しみのために化粧水を作る方法が記載されていますし、その際、エタノールや純水を使用します。その流れを汲んでいるからでしょうか?
アロマトリートメントやエッセンシャルオイルと、既に製造された「化粧品」。
スクールでは、既に製造されている化粧品について、教えることはありません。
トリートメント後の保湿のために、必要なアイテムというだけなのでしょう。
化粧品業界で育った私にとっては、この「完成品」である化粧水を薄めて使うということに違和感がありました。
メーカーが品質を保証して出荷した商品に、手を加える?・・・。
刺激をより低くする旨の説明があったような記憶も、薄っすらあります。
・・・でも、やはり化粧水を薄める必要があるとは思えません。
そのスクールの本体はスクール運営以外に、エッセンシャルオイルを使用した化粧品の製造&販売もしているのですから。
本体がメーカーでもあるならば、推奨すべき使用方法では無いと思いますが、サロン経営者の側(卒業生の多くが、サロンの経営者になることが多いので)に立てば、節約を提案したくなるのかもしれません。
アロマテラピー業界としては、まだまだ裾野を拡大していかなければならないようですし。
たまたま学んだスクールだけが教えているのか、担当講師のオリジナルの部分なのかもしれませんが、よく分かりません。
「立場」と「都合」は常にあって、そして・・・揺らいでいます。
何が大事か見失わないように、双方が幸せになれような選択をしたいと思います。
写真:沈丁花が香っています。春、本番が近いですね。
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