「施術」ではなく「トリートメント」。
- 2018年10月19日
- 読了時間: 3分

「サロンで提供するサービスは「施術」 ではなく、「トリートメント」と表記してください。」とお伝えしています。
10年ほど前になりますがコンプライアンス担当として、当時在籍していた会社が発行していたエステティックのテキストから「施術」という言葉を一掃しました。
何故か?
それは「施術」が医療行為を示す言葉だからです。
本来「施術」は手術を指します。
医療として保険適用される技術、例えば、あんまマッサージ指圧師、鍼師、きゅう師や柔道整復師などの国家資格者が提供する技術は「施術」。
医療関係の国家資格を持っている人たち以外は、「医療行為」を行ってはいけないのです。
つまり、無資格者の「医療類似行為」は罪に問われることになる。
だから、国家資格を取らなくても営業できるサロンの技術を「施術」と表現するのは、非常にまずい・・・訳です。
サロン経営者もスタッフもお客様もあまりご存知のかたはいらっしゃいません。
ですから、尚更、言葉の選び方を考えていかなければならないのです。
リスクを回避するために。
サロンに来て肩こりや足のむくみの解消を希望するお客様も少なくありません。
シミやシワ、ニキビを改善したいお客様も多いですよね?
サロン側は、お客様のニーズに合わせたメニューを提供しようとします。
でも・・・。
肩こりや足のむくみやお肌の悩みを解消してはいけないのです。
メニューに、そのような内容を明記してはいけない!!
だって、それは無資格者の治療(つまり医療類似行為)だから。
ホワイトニング商品や、エイジングケア商品やアクネ予防の化粧品を使用したコースがありますが、あくまでも化粧品の効果は「予防」や保湿や年齢にあったお手入れを目的にしたもの。
物理的な刺激で結果的に血流が良くなって、お客様の顔色が明るくなったり、体が軽くなったとしても。
継続的なお手入れの結果、お肌の悩みが解消できたとしても。
お客様が効果を実感されていても。
「美肌になる」とは言えないのです。
「綺麗になる」とは言えるのですが・・・。
では、サロンで提供できるサービスは、何か?
それは、「綺麗のため」「リフレッシュ」や「リラックスを楽しむ時間や空間」なのです。
トリートメントの技術は、元々マッサージや指圧、あんまの技術の手技を取り入れたものです。
教わった技術を使ってのサービス提供が不可・・・なのではありません。
治療と勘違いされるようなサービスを提供できない!ということなのです。
当初は教える側も教わる側も、そのような線引きが必要とは思わなかったでしょうね。
お客様に誤解されないために、意味を理解していただくために、意識を変えていただくためにも、言葉をきちんと選んでいくことが大切になって来ました。
大きく成長した業界で、一度定着してしまったことを正すことは至難の技です。
サロンの経営者やスタッフを守るためにも、お客様のためにも・・・エステティックやアロマテラピーや美容業界の団体が、コンプライアンスの重要性を説いていますし、機関紙を通して解説をする機会が増えています。
皆さんのサロンや教室のテキストの表現は、きちんと見直されているでしょうか?
大きく成長した業界ではありますが、中々情報が届かない小さな世界であったりもするので。
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写真は、芙蓉の花。楊貴妃の顔を芙蓉の花にたとえた白居易の長恨歌が有名ですね。
華やかな秋の花です。
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