主婦の知恵との線引きは?
- reethihandhuvaru
- 2017年1月25日
- 読了時間: 3分

30代の頃に、「う〜ん・・・それはダメだよね」と思ってしまったことがありました。
当時、担当していた取引先の会議で、売上の高いサロンのオーナーが「とてもよかったこと」として発表したのですが・・・。
泡立てネットなどが出るか出ないか?という時代です。泡立てスポンジや泡立てネットが浸透していない時期でしたから、使い方も知らない人が多かったのです。私が勤めていたメーカーは、泡だてネットを製品としても、販促物としても作っていませんでした。今なら、100円ショップなどで簡単に買えますが、当時は100円ショップが出来始めた頃でしたし、店舗数自体がとても少ない。
そんな時でしたから、洗顔料を顔につけてから泡立てる人があまりに多く、前月の会議で「使用法」や「泡だてをちゃんと行うと何がいいのか?」をお伝えして、その日の会議を迎えたのでした。
「三角コーナーのネットのゴミ袋を、糸で丸くくしゅくしゅになるようにして結んで、簡単な泡だてネットを作ったんですよ。ワークショップで、お客様と一緒に作ったら、喜んでもらえました。とってもよく出来たし、いいアイディアだったと思います!」と目をキラキラさせて発表されたのでした。
簡単に泡だてが出来て、化粧品の力も引き出せる。メーカーが、泡立てネットを製品として販売していないのですから、良いアイディアです。「主婦の知恵」としては、「うん!いいよね!安くて機能もバッチリ!」なのです。
友人同士やお客様同士の情報交換であれば、「耳寄り情報!」で、全然問題がありません。
私が引っかかったのは、「三角コーナーのゴミ袋を使った泡だてネット」を提案している場所が、「高額な化粧品を販売し、それを使用してフェイシャルエステティックを提供しているサロン」だという点です。
オーナーは「主婦の知恵」の提案が、サロンのイメージダウンになるとは思っていないのです。ひょっとしたら、そのサロンのお客様は意に介せずな方達かもしれません。
ですが、化粧品販売店の経営者として、その感覚はどうなのでしょうか?
女性はしばしばお花に例えられます。お客様を「傷つきやすいお花」のように大切に扱うような気持ちを、スタッフやオーナーには持っていただきたい。
お客様は自分にご褒美を上げるために、リフレッシュしたり、少しリッチな気持ちを味わいたくてお越しになる。
そんなお客様に、ゴミの始末をする目的のネット(未使用だとしても)で、顔を洗ったらいいですよ!とお伝え出来ますか?やっぱり、ちょっとマズイと思いませんか?
サロンは、お客様に「夢」を販売するところです。
やっぱり、「それはダメだよね〜。」と私が思った理由がお判りいただけたでしょうか?
楽しい「主婦の知恵」は、出来れば「サロンや化粧品販売などのお仕事とは無関係」なところで楽しんでいただきたいなあ・・・と思うのです。
結局、その会議で「それはダメ」だと、理由も合わせてお伝えしましたが、オーナーはあまり納得されていない様子でした。
善悪の区別とは異なって、個人の感性に負うところが大きいので、解っていただけたかは、自信がありません。伝わっていたら嬉しいのですが・・・。
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